きみと真夜中をぬけて





青春がしたい。

もう戻ってこないと分かっていても、私が一人で超えることしかできなかった日々を追いかけたい。


叶うのなら───大切な人たちと。



「……本当に行ってもいいの?」

「あたりまえよ」

「制服……着よっかな」

「…おぁ、まじ?それはもうなんだ?あのー…なんだ、バクハツするやつだ?諸々が」

「語彙死んでるよ綺」

「いや元はと言えば蘭が」

「ねえ、あれ何座かなぁ」

「おい聞け 話を」



天体観測(初デート)は、次の約束をして終わりを迎えた。

心に寄り添うみたいに、これでもかってほど煌めく星空を、私は一生忘れないのだと思う。


幸せだ、と思った。


< 173 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop