きみと真夜中をぬけて
私を言葉で表すなら、『不登校の不良少女』が妥当だろうか。
私ですら、私を正しく表す言葉を知らない。
つまらなく虚しい日々が、いつかどこかで終わりを迎えられるとも思えない。
もうずっと、漠然と苦しいのだ。
夜を越えたら、私はまた劣等感だらけの空っぽな日々を過ごす。母の優しさに甘え、自分を無理やり肯定する。
私という存在そのものが、ずっと私にとっての重荷である。
「じゃあ、そうだな」
「え?」
「とりあえず、俺と友達になる?」
意味がわからなかった。「じゃあ」も「そうだな」も「とりあえず」も、ひとつも文脈が合ってない気がしたからだ。
何の脈絡もなく言われたそれに思わず顔が歪む。
薄暗い公園の街灯に照らされた綺の顔からは、言葉の真意など読み取れそうにはなかった。