きみと真夜中をぬけて





私はまだ何も見つけられていない。だから、こんなにも世界に関心がないのか。

何にも適応できないまま、日々の癒しも趣味もなく、学が乏しいまま、同じだけの夜を越える。


もしいつか、世界を生きる理由が見つかったら────幾分か、私の日々は輝くだろうか。




「お節介だと思ってくれていい。夜ってテンション上がるだろ?アドレナリンがさー、出まくってるから」

「……ねえ。綺って、実は友達いないの?」

「はぁあ?いるわ 失礼な。純粋に 蘭のことが気になった。だって考えてみ?親の目盗んで名前すら知らない深夜徘徊不良少女に会いに来る俺、もうただの恋だろ……あっ?」

「え?」

「恋かよ、なるほど、俺は蘭のことが好きなんだな。なるほどこれが恋」

「いや違うから絶対」

「言い方変えるわ。蘭のこと好きだから、もっと知りたい。蘭の生きる理由、一緒に見つけてえよ」



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