きみと真夜中をぬけて
空は澄んでいて、今日は星がよく見えそうだ。
梅雨なので、雨が続いて空が雲で覆われる日ばかりなのはどうにもできないことではあるけれど、綺が好きだという夜と星の概念を、私もいつか一緒に抱きしめてみたかった。
今日の空なら、綺と同じ景色が見られるかもしれない。
沢山のトクベツが詰まった夜になりそうだと、夜の風を切りながら思う。
自宅と公園をつなぐ道のりの途中に、コンビニがある。24時間光が消えないお店。明るい時間に外に出ない私からすれば、コンビニは唯一の便りだった。
自動ドアを抜け、店内に入る。
店員さんは、時々私がアイスを買いに来た時にレジをしてくれる学生の男の人だった。
いつもは公園の帰り道に立ち寄るからすっかり深夜になっているけれど、22時半に来たのは初めてて、この時間から働いてるんだー…と、何故か関心した。