きみと真夜中をぬけて
────その日、鼻歌を歌い、真夜中さんに詰めてもらったレジ袋を持ち公園に向かうと、綺はいなかった。
着いたのは23時手前のことで、いつもより少し早いしもうすぐ来るかな、とそんなことを思っていたけれど、30分経っても1時間経っても、綺が姿を現すことはなかった。
今夜渡したかった誕生日プレゼントも、今夜しか意味がない「誕生日おめでとう」の言葉も、綺には届けることができないまま日付がかわり、翌日になった。
お菓子を選んでよかった。コーラも、自宅の冷蔵庫で冷やせばまた美味しく飲める。
自分を納得させるように、心の中でそう唱えた。