きみと真夜中をぬけて
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「らしゃいませー……あ。こんばんは」
深夜1時。ふらりと立ち寄ったいつものコンビニには、気だるけ深夜バイター幻中 光さん──通称真夜中さんが品出しをしていた。
私の来店に気づいた真夜中さんが軽く会釈をしたので、私もつられてぺこりと頭を下げる。
「1週間ぶりっすね」
「…そうですね」
「ミヨーさん、なんかありました?」
私の変化に気づくのが綺だけではないと知ったちょうど1週間前のこと。1085円のお菓子とコーラは、まだひとつも開封しないまま。
真夜中さんと目が合ってすぐそう問われ、私はそれを肯定するように俯いた。