きみと真夜中をぬけて
私も、1年生の頃までは平和に過ごしていたと思う。
それなりに友達もできた。部活動は必須じゃなかったので入らなかったけれど、代わりにアルバイトを始めた。
私も伊達に“高校生”という肩書を背負っていたわけではない。それなりにかわいいものは好きだし、流行りのものには興味があった。
そんな理由で駅の近くにあるカフェのバイトに応募し、トントン拍子で採用してもらった。
友達とかわいいカフェや雑貨屋に寄り道をして帰った、り、週に3回バイトに行ったり、長期休暇はテーマパークに行ったり旅行をしたりした。
仲良くしていて、時々笑い声が大きいなと思うことはあっても、気になることはそれくらいだったから何も言わなかった。
言うほどのことではないと思っていたし、それを「嫌い」だと認識していなかったからだ。
みんなでワイワイすることが好きだったから、友達になれてよかったと思っていた。
楽しかった。
楽しめていた、はずだった。