きみと真夜中をぬけて





朝の気分が特別良かったわけでもなく、ただ、いつもより早く目が覚めて、気づいたらここにいた。



過去と向き合う、もしくはあの子がでてくるような夢を見たのかもしれない。もしくは、綺と出会ったせいか、真夜中さんと出会ったせいか。



私の生活に変化をもたらしたふたりに影響は少なからずあるだろう。朝の眩しい光に照らされて、少しだけ、情が湧いただけかもしれない。


私の行動の真意は、私でもよくわかってはいなかった。




[ 蘭 手紙 ]



どこまでもわざとらしく、世話焼きな母である。


無地のネームシールにマジックペンで書かれたその文字に、はは…と呆れなのか関心なのか、よくわからない笑みがこぼれる。



私には必要のないもの。
そう思っているもの、思い込んでいるもの。



引き出しに手を伸ばしそっと引くと、ざっと数えて10枚以上の色とりどりの封筒が広がった。



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