鶴の音返し
「それは本当ですか?」

その問いに答える前に、
先生の電話に校長先生から着信が。

おそらく、現状報告を求めて連絡してきたのだろう。

「ちょっと、すみません。」

両親が冷静になっているのを目を見て確認してから、
通話のできるエリアへ移動していった。

先生が教室を出るやいなや、
父が胸ぐらに掴みかかる。

「本当のこと言え。
このままだと君のことを殺してしまいそうだ。」

その必死さに、
誤魔化すことはできないと悟り頭を下げる。

「すみません!」

そうして、経緯を話し始めた。
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