鶴の音返し
クラス全員が頭を下げてる異様な光景、
だからこそ見えた自分の席に山のように積んである教科書類や雑貨。

「あれは、、、?」

千鶴の視線の先に目をやるさつき。

「今までダメにしちゃった教科書だったり、
筆記用具、アクセサリーとか。
みんなで買ってきた。
けどまだたくさん壊したよね、財布もスマホも靴も。
今は返せない。
だけど残りはちゃんと責任持って返すから。」

「いや、そんな、」

「そうじゃなきゃ私が前に進めないの!」

頑固なところは相変わらず。

「私じゃなくて私たちでしょ。」

「安心して。
親のお金とかじゃなくてちゃんとバイトして私達が返すから。」

そう言って、2人のいじめっこもさつきの両脇に。

しっかりと髪の毛を黒く染めてるのはバイトのためか。
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