訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
〔我が主〕
ラルフが出てくる
〔あの者が向かった方向とは別の方に、気配を感じます〕
「魔物?」
〔いえ、…これは恐らく…〕
「…蓮、紫音、付いてきて」
霧で逸れない様に慎重に進んでいく
〔ここです〕
立ち止まって《サイコメトリー》で周囲を探ると、森の中で少し広い空間だと分かる
そして…
「…何か、ある」
大きな、何かが中心にある
手を伸ばしてソレに触れる
瞬間
霧が一気に晴れ、目の前に現れたのは
《!?》
白い檻の中で眠る…、白いドラゴン
思わず唖然としてると
ドラゴンが目を開けて、私達を見る
〔貴様等、見ぬ顔だな〕
キッと睨みつけられる
するとラルフが元のサイズに
〔…神獣を連れておるのか。上位精霊も宿しておるな〕
〔我は狼神族だ〕
〔ほう〕
〔このお方が、我の主だ〕
ドラゴンが見定める様に私を見つめる