訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
青色の目と、白く輝く鱗
…綺麗

〔神獣を連れてる娘、名は?〕
「栞…です」
〔シオリ …今、何を考えておる〕
「貴方の目と鱗、綺麗だなって…」
〔…綺麗?〕
「あの…、触ってみても、いいですか?」
〔それは出来ん。我はこの檻から指一本も出せぬのだ〕
「なら、私が手を入れてみてもいいですか?」
〔…〕

無言を肯定と受け取り、そっと腕を触る
ヒンヤリしてて、滑らかで…気持ち良い

「あの…、」
「俺達も、触ってもいいですか?」
〔…貴様等の名は?〕
「蓮」
「紫音」
〔レン、シオン…。良かろう〕

蓮と紫音も檻の隙間から手を入れて触る

「お〜」
「綺麗な鱗ですね…」

…そういえば

「ラルフ、何で自分から名乗ったの」
〔このドラゴンは我と同様、神と並ぶモノだからです〕
「「「…」」」

神と並ぶモノ…そんなドラゴンが

「どうして、檻の中に…」

私達はズメイ国を滅ぼしたドラゴンを討伐しにここに来た

「貴方が、昔…、ズメイ国を滅ぼしたドラゴン?」

ドラゴンは目を細め

〔違う
 遥か昔、我を殺めた者の血筋が、再び我を殺めようと呪術で己の国を贄にしたのだ
 我がこうなっているのは
 その呪術を何故止めなかったと神に咎められたからだ〕
「…実際、やろうと思えば止められた?」
〔…、呪術の気配に気付き国に行った時には、彼奴が呪い返しを受けた後だった
 だが、そうでなくとも…、我を殺めた者の血筋である者共など助けるつもりも無かった〕
「…」

もし、今まで自分を殺そうとしてた人に関係する人が死にそうだったとしても
私は…、助けた?

「…、貴方のその気持ちは、少し…、分かる」

ドラゴンと目を合わせる

「私も、今まで何度も殺され掛けた
 だから、貴方の気持ちは…分かるつもり…」
〔…口ではどうとでも言える〕
「なら、私の記憶をよんでみて。貴方なら出来るでしょ?」


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