訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
紫音side
姉さんはドラゴンの腕に触れたまま目を瞑る
ドラゴンも、姉さんに意識を集中し始めた

少しの静寂な時間が経った後
姉さんが目を開け、ドラゴンの目を見る

〔貴様等、異界の者か…
 まあそれはよい、…貴様の言葉が真(まこと)だと信じよう〕
「ありがとう」
〔だが貴様等は、何の目的でこの地に…我の前におる〕
「…、ある人から貴方を一緒に討伐する様に頼まれたから」
〔…彼奴、異界から来た貴様等に助力を求めたのか〕
「? 誰か分かるんですか?」
〔我がここに居ると知っておるのは1人しかおらぬ〕
「あの人は、何度もここに?」
〔左様〕

それでも、ここをすぐに見つけれなかったのは

「今私達しか貴方に会ってないのは
 貴方があの人を迷わせて、簡単には来れない様にしてる?」
〔そうだ 檻の中でも多少は力が使えるからのぅ
 だが彼奴ではこの檻は壊せん
 …例え、貴様等でもな〕
「…、あの、貴方の記憶を、見せてもらえない?」
〔…〕
「貴方を、…本当の事を知りたい」

俺達も姉さんに近寄り、肩に触る

「俺達にも教えてくれ」
「お願いします」
〔…、良かろう〕

姉さんがまた目を瞑って《サイコメトリー》を使う
俺達も同様に目を瞑れば、ドラゴンの記憶が流れて込んでくる


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