訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
数日後
皆で食事をしてると、外で歓声が響き始める
「?」
「何だ?」
「凄い声だね」
お父様がガタンッ!と立ち上がる
「帰ってきたか!?」
「確認してまいります」
「急げ!」
ソルが足早に部屋を出て行く
まさか…
お父様に言われるがまま、謁見室で待つ事数分
ガチャッと扉が開く
「お連れしました」
1人の男性が入ってくる
「お父様、ただいま帰りました」
「うむ よくぞ帰った」
男性の視線が私達に移ると、男性が目を見開く
「…っ」
男性がフルフルと震える
「お、お父様…、そこに、居るのは…」
「ああ そうだ」
お父様に促され、男性の近くに
男性は泣きそうな表情で私を見る
「シオリ、…君はシオリ、なんだな?」
「…はい え…っと、クロト…兄さん」
「! シオリッ!!」
ギュッ!と抱き締められる
「シオリッ!…シオリッ!!
お前に会えるのを待ってたんだ!
あの時からずっと!ずっとだっ!!」
少しクロトさんが離れ、頰を優しく包まれる
「ああ…、シオリ、俺の…妹」
今度は優しく抱き締められる
「シオリ、おかえり」
私も抱き締め返す
「ただいま、クロト…兄さん」
クロトさんと離れ、後ろにいる蓮と紫音も紹介する
「兄さん、紹介します」
「俺は蓮、栞の夫です」
「俺は紫音、栞姉さんの弟です」
「弟のシオン君に、夫のレン君…、…え、夫?」
バッ!とクロトさんが私に目を合わせる
「はい、蓮は私の夫です」
「夫…、おっと?…、夫…、夫ぉおおおおおおおおおおっ!?」
今度はお父様に目を向ける
「ホッホッホッ!真だ」
クロトさんはポカン…と呆然としてる
「フフッ、これからよろしくお願いします
兄さん」
クロトさんは目を瞬かせた後、笑顔になり
「ああ、よろしくな」
その日は夜遅くまで宴が開かれた