訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
服店を探しに歩いてると
「ねえ聞いた!?ジュノの国王が殺されたんですって!」
「聞いた聞いた!なんでも何処からか帰ってきた国王の娘が殺したんでしょ!?」
「それがねぇ!?その娘、偽者だったらしいわよ!?」
「ええ!?」
「国民を騙す為に本当は娘のフリをしたバケモノって話よ!?」
「バケモノッ!?やだ怖い!しかも国王の息子まで酷い目にあったんでしょ!?」
「そうよ!国民が必死になって国から追い出したらしいけど
今ではその息子が何とか国を納めてるって話!」
「え〜!立派ねぇ〜!」
思わず立ち聞きしてしまった
〔グルルル…ッ〕
「落ち着いてラルフ」
コレが…、サタンが仕組んだシナリオ
私が、お父様を殺し…お兄様を…、
皆を騙した…、バケモノ…
グイッと不意に蓮に肩を抱き寄せられ、路地裏に
紫音が表通りから見えない様に立ち塞がってる
「蓮、紫音も…、大丈夫だよ…」
「何が大丈夫だよ。…レノ」
〔はい〕
「面を外してもいいようにしてくれ」
〔…はい〕