訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
翌日
ギルドに行き、クエストボードを確認する

「次はコレにしようぜ」
「ん」
「了解」

蓮が依頼書をボードから取り、ミルデのとこに行くと

「なあ…」

後ろから男の人の声が
振り返れば、大きい男の人と後ろに女の人と細っそりした男の人が

「何だ?ロギア」
「レン、それにシオン、お前等2人…俺等のパーティーに入らねぇか?」
「「……、は?」」
「…」

呆然としてる2人
ロギアという男は、私を見て

「お前、シオリ?だったか?
 テメェみたいな弱いチビはさっさと家に帰んな」
「そうよ!アンタみたいなのはギルドにいるのが間違ってんのよ!
 生意気に犬なんて連れちゃって!
 アンタは街で犬と散歩しとけばいいのよ!」
〔ヴゥゥ…ッ〕
「ラルフ、落ち着いて…」
「ロギアとキエラの言う通りだよ
 レンとシオンの迷惑なんだから、早くここから出ていきな」
「!?」
「おいっ!何言ってんだっ!?」

紫音と蓮が驚き、反論する

「お前等だってクエストに行く度に、こんな足手纏いがいて迷惑だろ?
 でも優しいから引き離さない
 だから代わりに言ってやってんだぜ?」
「…っ何、勝手な事言って…っ!」
「私が足手纏い?」

ロギアが私を見下ろす

「ああ 分かったなら2人、いや…、俺等の前から消えろ」

キッと威嚇される

「…何で私が弱いって決めつけてる」

ロギアはフンッと鼻で笑い

「テメェは実地試験の時、何もせずに魔物を倒してた
 大方…、2人が助けてたんだろ」
「試験は外部と遮断される魔法陣の中でやってた
 なのに、外部からの手助けで私が勝てたと…、そう言ってるのか?」
「そうだよ、それだよっ!
 普通外部から遮断される筈だ!
 それをラーガに贔屓してもらって助けれる様にしたんだろっ!?
 じゃなければテメェみたいな奴がSSランクになんかなれる筈がねぇんだよっ!!!」
「ロギアッ…テメェッいい加減にしやがれっ!!」
「姉さんがそんな事したって、本気で言ってんのかっ!!!」
「お前等こそっ!いい加減コイツを庇うのは止めろっ!!」

蓮がロギアに掴み掛かる

「レンとシオンが強いのは分かってるよ
 でもこの人は試験の時、何もしてないじゃないか
 いや…、何も出来なかったんだよ
 それなのに合格って、助けてもらったって事だろ」
「ルトッ!お前まで!」

ルトという男に紫音が掴み掛かる
女は怒りの表情で私に近寄り

「どうせ2人はアンタに頼まれて仕方無くやったんでしょ!?
 ラーガだって!
 アンタみたいなチビを死なせるのが可哀想だから手を抜いてやったんでしょ!?
 全部仕組んだ事なんでしょ!?
 どうせアンタは2人がいなくちゃ何にも出来ない、か弱い女なんでしょ!!
 何にも出来ないクセにSSランクなんかに…っ!
 私達のギルドに入ってくんじゃないわよ!」
「…」
「…っアンタ!さっきから何にも喋んないでっ!おちょくってんのっ!!??」

女が手を振り上げた瞬間

「何やってる」

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