訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
城の誰も居ない部屋で、俺達の視線は栞に向いてる
栞は目を瞑り、集中してる

「すぅ…はぁ…、予め言っとくね
 もしかしたら副作用で全員意識を失うかもしれない
 でも、確実に家には戻るから」

皆、頷きで返事を返す

「じゃ、やるよ」

栞の左目にペンタクルが浮かび、ソルさんの時と同じ様に足元が光り始める
光がカッ!と一瞬強くなり、眩しくて目を瞑ると

「戻ったよ」

目を開ければ、広間に立ってる
見渡すと酒向がポカン…と俺達を見てる

「も、もう…、戻られたんですか?」
「ああ。酒向、あれからどれ位経ってる」
「いや…あの、今行かれたばかりですよ?」

周りも同じ反応だ
栞はソルさんと同じ様に出来たって訳か

「上手くいったな、栞」

栞に振り向くが、居ない

「…え?」

見渡しても、居ない

「? 栞と紫音はどうした?」

兄貴も気付いた
まさか、2人だけ戻れなかったとかはないよな?
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