訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
俺は王に向き

「姉さんが自分で決めたんなら、何も言いません」
「俺も、栞が辛くなければ…いい」
「紫音、蓮、…ありがとう」

ただ…気になってる事がもう1つ

「あの…」
「? 何だ?」
「今回、俺と蓮は姉さんに護られるだけでした
 …だから俺達にも、護れる力が欲しいんです
 どうにか出来ませんか?」
「…レンも同じ考えか?」
「はい、力が欲しいです。栞を護れる力が」
「ふむ …実はの、2人にやってもらいたい事があるのだ」
「「?」」
「お主達の身に、精霊を宿させる」
「「!?」」
「ソルにお主等を観察してもらったところ、肉体がこの世界に対応しきれぬかもしれぬのだ
 …つまり、このままだと命が危うい」
「「…っ、」」
「だが、生命力に満ち溢れている精霊を宿せば防げる。しかも、魔力が生み出せるのだ」
「俺達が…」
「魔力を、…ですか?」
「うむ 但し、精霊を宿すと普通の人間ではいられぬ」
「…え」
「それは、…どういう…」
「ああ、すまんすまん。決して悪い意味では無い
 精霊を宿す事はつまり、精霊と共に生きるという事だ
 少しの傷ならすぐに癒え、肉体も強化する
 精霊の力を使える者を、ただの人間とは言わぬだろう?
 シオリはラルフと既に魂を繋いでおる故、心配は無いそうだ」
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