訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜

「…あの、お父様」
「何だ?」
「私がラルフと魂を繋いでるのは確かな様ですが、私はあくまで生まれ変わりです
 何故、繋がりが切れてないんでしょうか…」
「うむ、それはな…
 魂を繋ぐというのは、謂わば…一心同体だ
 生まれ変わった肉体でも、魂は同じ
 故にお前が最初に来た時、ラルフが反応したのだ
 言ったであろう?
 ラルフが動いた事が証明になると」
「…」

姉さんはラルフを抱える

「だから…、だからラルフとだけは自然と会話が出来たんだ」
〔主…〕

ラルフはペロ…と姉さんの鼻を舐める
…そういえば、街に行く時
姉さんは躊躇無くラルフに小さくなってって
魔物を退治しに行く時も
名前を呼ぶだけでラルフは体を大きくして、姉さんが乗れる様に動いた
姉さんはラルフを優しくギュッと抱く

「本当に、長い間…、待っててくれたんだね」

姉さんの目には涙が、ラルフは姉さんの頰を愛おしそうに舐めてる

ラルフは肩に戻り、姉さんの頰にグルグルと頭を擦ってる

「さて、本題に戻ろうかの
 レン、シオン…、どうじゃ?
 精霊を受け入れるか?」

俺は蓮と見合わせ、頷く

「「お願いします」」
「よし、すぐにでも取り掛かろう」


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