誘惑の延長線上、君を囲う。
ブラックアウト
週末、おひとり様を満喫しようと仕事帰りにたまたま立ち寄ったショットバー。扉を開けると同時にカウンターで一人飲みをしている泥酔寸前の男が目に入った。
紺色のスリムスーツを身に纏うその男に見覚えがあり、思わず声をかけずには居られなかった。
「もしかして……日下部君?」
「……何だよ?」
「やっぱり!日下部君でしょ?久しぶりだね」
「……はぁ?……っるさいんだよ、委員長はぁ!」
ショットグラスを片手に持ち、溜息をつきながら飲み干した男は高校時代の同級生である。高校卒業後、成人式の式典で再会したが、それ以降は会った事などなかった。
高校時代は確かに学級委員長をしていた。かれこれ十年は会っていないのに自分の存在を当てられた事に胸の鼓動が高まる。
「相当酔ってるみたいだけど、何かあったの?」
私は隣の椅子にそっと腰をかけた。
「んー?……、別に…何もない」
「ない訳ないじゃない?そんなに酔ってるんだから。せっかく久しぶりに会えたんだからさ、少し話をしようよ?」
私はシャンパンと日下部君用にお冷を注文した。お冷を出された日下部君は私を睨みつけたが、渋々と喉に流し込んでいた。
「……てゆーか、委員長は何してるの?」
カウンターテーブルに頬ずえを付きながら、私の事をじっと眺めてくる。
紺色のスリムスーツを身に纏うその男に見覚えがあり、思わず声をかけずには居られなかった。
「もしかして……日下部君?」
「……何だよ?」
「やっぱり!日下部君でしょ?久しぶりだね」
「……はぁ?……っるさいんだよ、委員長はぁ!」
ショットグラスを片手に持ち、溜息をつきながら飲み干した男は高校時代の同級生である。高校卒業後、成人式の式典で再会したが、それ以降は会った事などなかった。
高校時代は確かに学級委員長をしていた。かれこれ十年は会っていないのに自分の存在を当てられた事に胸の鼓動が高まる。
「相当酔ってるみたいだけど、何かあったの?」
私は隣の椅子にそっと腰をかけた。
「んー?……、別に…何もない」
「ない訳ないじゃない?そんなに酔ってるんだから。せっかく久しぶりに会えたんだからさ、少し話をしようよ?」
私はシャンパンと日下部君用にお冷を注文した。お冷を出された日下部君は私を睨みつけたが、渋々と喉に流し込んでいた。
「……てゆーか、委員長は何してるの?」
カウンターテーブルに頬ずえを付きながら、私の事をじっと眺めてくる。
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