誘惑の延長線上、君を囲う。
「小嶋さんは大卒から彩羽コーポレーションで働いているんだよね?」

「そうなの、大学卒業後から働いているので、かれこれ8年目かな?結婚したら辞めようと思ってたけど、彼氏がなかなか煮え切らなくて未だにバリバリ働いているのです」

「そうなんだぁ。私も大卒から、8年目だけど……結婚出来ないままです」

日下部君と小嶋さんは同期で、同い年だ。社内で日下部君と対等に話をしていたから、小嶋さんって只者では無い感じはしてたけれど同い年だから納得。

「仕事もバリバリこなしてるし、日下部君にも引けを取らないから、実は一歩引いてたの。でも佐藤さんって話やすいね。失礼な話だけど……結婚してないってのも親近感湧くわー。是非とも仲良くしてね」

小嶋さんは日下部君の同期だけれどもИatura+所属では無い為、じっくり話をするのは今日が初めてだったりする。会えば世間話はするけれど、込み入った話はした事がない。小嶋さんは自分と同じ境遇だと知るとテンションが上がったのか、満面の笑みを浮かべてはしゃいでいる。はしゃいでいる小嶋さんは無邪気で可愛い。

「ねー、琴葉ちゃんって呼んでも良い?私の事も良かったら、名前で呼んでね」

「私も澪子ちゃんって呼ぶね」

「もうお互い、気軽に話し合おう!」
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