誘惑の延長線上、君を囲う。
日下部君と秋葉さんの間柄は誰が見ても公認の仲なのだと思い知らされる。秋葉さんが副社長を好きにならなければ、日下部君を選んでいたのかもしれない。
日下部君はバーで酔いつぶれる程、秋葉さんを手離したくなかった。その気持ちが私の心に突き刺さる。正直に口に出してしまう程に秋葉さんが好きだったんだ。私には好きだとは冗談でさえも言ってはくれない。それは多分、日下部君の心の中には秋葉さんが根強く残っていて、私の入る隙間なんて無いからだと思う。
「俺は今、とても幸せなんだ。自宅に帰れば居候が居るし、そいつがまた可愛くて骨抜き状態。……だから、秋葉の事はもういいんだ」
私は澪子ちゃんから貰い泣きしてしまいそうなので、必死に耐えていた。泣いている小嶋さんを慰めるように日下部君が発した言葉は、まさかの私の事……!?
「居候……?どうせ、にゃんこか、わんこでしょ?紫ちゃんに相手にされないから寂しくて手懐けているんでしょ?確かに動物は可愛いけどね、日下部君にはもっと別な幸せを掴んで欲しいのよ」
涙をハンカチで拭いながら、日下部君に向けて話をする澪子ちゃん。一通り泣いたら気が済んだのか、澪子ちゃんは冷めてしまった肉じゃがのじゃがいもを箸で摘んで口に入れた。
日下部君はバーで酔いつぶれる程、秋葉さんを手離したくなかった。その気持ちが私の心に突き刺さる。正直に口に出してしまう程に秋葉さんが好きだったんだ。私には好きだとは冗談でさえも言ってはくれない。それは多分、日下部君の心の中には秋葉さんが根強く残っていて、私の入る隙間なんて無いからだと思う。
「俺は今、とても幸せなんだ。自宅に帰れば居候が居るし、そいつがまた可愛くて骨抜き状態。……だから、秋葉の事はもういいんだ」
私は澪子ちゃんから貰い泣きしてしまいそうなので、必死に耐えていた。泣いている小嶋さんを慰めるように日下部君が発した言葉は、まさかの私の事……!?
「居候……?どうせ、にゃんこか、わんこでしょ?紫ちゃんに相手にされないから寂しくて手懐けているんでしょ?確かに動物は可愛いけどね、日下部君にはもっと別な幸せを掴んで欲しいのよ」
涙をハンカチで拭いながら、日下部君に向けて話をする澪子ちゃん。一通り泣いたら気が済んだのか、澪子ちゃんは冷めてしまった肉じゃがのじゃがいもを箸で摘んで口に入れた。