誘惑の延長線上、君を囲う。
「いつの間に愛音とそんな約束をしたんだよ?」

「陽翔君経由でメッセージ貰って、愛音ちゃんとも連絡先交換したんだよ」

「陽翔とも、いつの間に……!」

俺が知らない間に琴葉が家族達と戯れている!

「私、日下部君の家族になれると思うと本当に嬉しいよ。これから先、楽しい事ばかりじゃないと思うけど苦しい事も乗り越えていこうね」

そんな事を言いながら、コツンと肩に頭を乗せてくる琴葉をギュッと抱き締める。透き通る白い肌がお湯の中でも透けて見える。

「新規店舗がオープンして落ち着いたら琴葉のご両親に挨拶をしに行こうと思ってたけど、来週にでも行って良い?」

「それはまた急だね。じゃあ、実家の予定を聞いてみるね……」

有澄みたいに花野井家を背負っている訳では無いから、結婚する事を会社の都合に合わせなくても良い。それよりも……。

「琴葉と本当の家族になりたい。お互いの両親に挨拶して結婚の許しを得たら、結婚式の予定も早めに立てよう。式が終わったら、子供が欲しい」

「赤ちゃん、今すぐ欲しいけど……、仕事の事もあるし、段取り踏んでからだね」

「そうだな。結婚したら、仕事をなるべく早めに切り上げて子作りに専念しないとな」

穏やかな気持ちで今後の事を琴葉と語り合う。しかし、琴葉と二人きりで居ると……やっぱり、触れたくなるものだな。

「そ、そーゆー事は思ってても心の中にしまっといて!」

俺の腕から抜け出して、先に上がろうとした琴葉の腕を掴み、露天風呂に引き戻す。

「まだ温まってないだろ?」

「や、やっぱり、やだ……!のぼせちゃうかもしれないから……!」

付き合う前は積極的だった時もあったのに、今は照れてばかりな琴葉だ。

「分かった、浴衣着て待ってて。浴衣ぬがしたいから」

真っ赤な顔をして俺を睨みつけてから露天風呂から先に上がった琴葉だが、浴衣を着て髪を乾かしていた。

「あっ……!」

「日下部君は似合うね、浴衣」

この旅館では何種類かから好きな浴衣を選べる。落ち着いた青系の浴衣を選んだ琴葉は、しっとりした感じで更に綺麗さが増している。

「綺麗だよ、琴葉」

琴葉を見た瞬間に抱き締める。

「せっかくだから一緒に写真撮りたい!上手く撮れるかな?」

「部屋の外に出たら仲居さんがいるかもしれないから、探索も兼ねて出てみよう。明日の朝に入るかもしれないから大浴場の場所も探しに行こう」

「そうだね。あと飲み物とか買いに行こう」

琴葉との幸せな時間を楽しむ。琴葉は浴衣姿を楽しんでいるが、部屋に戻ったら脱がすけどね?

.。.:✽・゚【END】.。.:✽・゚
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