誘惑の延長線上、君を囲う。
───今日は1日、雨が降らなかった。少しずつ夏が近付いていて、もう少しで梅雨が明けそうな気配がしている。クローズ時間になり、締め作業をしてから駅前まで向かったが夜もジメッとして蒸し暑かった。夕方からのアルバイトの女の子とは駅で別れて、ロータリーで日下部君を待っている。
「お疲れ様、乗って!」
シルバーの車が目の前に停車し、開いた窓から声をかけられる。日下部君の車は、車内の静粛性と制御装置を兼ね備えた五人乗りの人気のハイブリッド車。乗っていると本当に音が静かでドライブしてたら、眠くなってしまいそう……。
「お疲れ様です、お迎えありがとう。日下部君は私に合わせて退社してるの?」
「……そーゆー訳じゃないけど、時間を合わせるのに残業しながら待ってたりするから、つまりはそうなるかな?仕事は山程あるからな」
「ふうん、そうなんだ」
仕事帰りにお迎えに来てくれるだなんて、本物の彼氏みたいだ。しかも、私の退社時間に合わせてくれているし……。私は随分と甘やかされている。
「今日はどうする?明日は土曜日だから俺も休みなんだよね」
「どうするも何も自宅に帰るけどね、私は……」
「お疲れ様、乗って!」
シルバーの車が目の前に停車し、開いた窓から声をかけられる。日下部君の車は、車内の静粛性と制御装置を兼ね備えた五人乗りの人気のハイブリッド車。乗っていると本当に音が静かでドライブしてたら、眠くなってしまいそう……。
「お疲れ様です、お迎えありがとう。日下部君は私に合わせて退社してるの?」
「……そーゆー訳じゃないけど、時間を合わせるのに残業しながら待ってたりするから、つまりはそうなるかな?仕事は山程あるからな」
「ふうん、そうなんだ」
仕事帰りにお迎えに来てくれるだなんて、本物の彼氏みたいだ。しかも、私の退社時間に合わせてくれているし……。私は随分と甘やかされている。
「今日はどうする?明日は土曜日だから俺も休みなんだよね」
「どうするも何も自宅に帰るけどね、私は……」