誘惑の延長線上、君を囲う。
日下部君に右手を差し出され、素直に受け取る。ホームに着いてから、日下部君は何の前触れもなく手繋ぎの仕方を変えた。俗に言う恋人繋ぎに直される。日下部君の骨ばった長い指に私の指を絡ませる。不意に日下部君の顔を見上げてしまったら、顔がほんのりと赤くなっていた。自分から手を繋いで照れている日下部君、凄くツボにハマる。可愛い。
「何で笑うんだよ」
「あまりにも日下部君が可愛くて、つい……」
微笑ましくて笑みを浮かべたら、日下部君に気付かれて睨まれる。そのタイミングで電車が到着し、乗る前に「ばぁーかっ!」と言われた。電車内では立って居たからか、手繋ぎのままだった。
『美男美女だね、素敵!』『いーなー、羨ましい!』と側に座って居た20代前半位の女の子達にジロジロ見られながら、呟かれた。私達の事を言ってるのだろうか?私は兎も角として、確かに日下部君はカッコイイもんね、憧れるのは分かる。
目的地まで着いたら、辺りはすっかり暗くなっていた。予約していたお店はショッピングモールの中にある。
「ここは美味しい地中海料理と本格カクテルのお店なんだって。当日だったけど、夜景が見える窓際の席を予約出来て良かった」
「普段、こんな場所には来ないからな。女は夜景とか好きだもんな」窓際の席は恋人達が横並びに座れるようになっている。少し間をかけて別の恋人が座っているので、恋人又は二名専用の座席かもしれない。私達はお互いに食べてみたい地中海料理とお酒をオーダーした。
「日下部君って本当にビール好きだね。とりあえず生ビール的な」
「そうだよ、とりあえず生ビールなんだよ。二杯目はカクテルをオーダーするから」
「別に合わせなくて良いよ」
「何で笑うんだよ」
「あまりにも日下部君が可愛くて、つい……」
微笑ましくて笑みを浮かべたら、日下部君に気付かれて睨まれる。そのタイミングで電車が到着し、乗る前に「ばぁーかっ!」と言われた。電車内では立って居たからか、手繋ぎのままだった。
『美男美女だね、素敵!』『いーなー、羨ましい!』と側に座って居た20代前半位の女の子達にジロジロ見られながら、呟かれた。私達の事を言ってるのだろうか?私は兎も角として、確かに日下部君はカッコイイもんね、憧れるのは分かる。
目的地まで着いたら、辺りはすっかり暗くなっていた。予約していたお店はショッピングモールの中にある。
「ここは美味しい地中海料理と本格カクテルのお店なんだって。当日だったけど、夜景が見える窓際の席を予約出来て良かった」
「普段、こんな場所には来ないからな。女は夜景とか好きだもんな」窓際の席は恋人達が横並びに座れるようになっている。少し間をかけて別の恋人が座っているので、恋人又は二名専用の座席かもしれない。私達はお互いに食べてみたい地中海料理とお酒をオーダーした。
「日下部君って本当にビール好きだね。とりあえず生ビール的な」
「そうだよ、とりあえず生ビールなんだよ。二杯目はカクテルをオーダーするから」
「別に合わせなくて良いよ」