最愛の人
昼休み
「ねぇ、友愛(ゆりあ)。」
「うん?」
「いい加減、前の恋を忘れなきゃ前に進めないよ?」
「うん…そうだね。」
…と会社の先輩からいつものように同じセリフを言われる。
私の名前は、瀬戸友愛(せと ゆうあ)25歳。
一緒にお茶をしている先輩は、相田 葉香(あいだ ようか)27歳。
二歳上で、職場の先輩になる。同じ部署で、たまたまランチに誘われ、話をしている内に次第に打ち解けていた。休日も一緒に遊びに行ったりと、いつの間にかとても親しい友人になっている。
「ねぇ、友愛。今夜空いてる?」
「うん。どうしたの?」
「たまには女同士で飲みに行かない?」
「いいよ。…あれ?葉香、彼氏さん、今日出張から帰ってくるんじゃなかったっけ?」
「帰ってくるけど、いいの。今夜は友愛とゆっくり飲みたい気分なの!」…とにっこり笑顔で言う。
あちゃあ…、これはまた彼氏さんと何かあったな。
「よ−しっ!今夜はとことん葉香に付き合うか!」
「おっ!?それでこそ、親友!」…等と、馬鹿を言い合いながら、昼休みは終わった。
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