犬猿上司に溺愛されてます
小柄な若葉が深野を見上げ、背が高い深野が若葉を見下ろしている。
周囲は仕事をしながら、固唾を呑んで見守っている。
「あぁ、そうだったな。木崎がいてくれて助かる」
「わかってるなら埋もれさせないでくださいよ」
思わず膨れっ面になりそうになりながらも、若葉は周囲の目が気になってしまい、書類を抱えて踵を返した。
その去り際、周りには聞こえない程の小声で深野が若葉の耳元で囁いた。
「今日は仕事、早く切り上げる」
若葉は咄嗟に耳を押さえた。
抗議の眼差しを向けると、深野は僅かに口角を上げた。
仕事中は止めてほしいと幾度となく言っているというのに、深野は隙あらば仕掛けてくるから質が悪い。
若葉は脱兎のごとく、足早にフロアを後にした。
その姿を深野が熱い眼差しで見つめていることに、若葉は全く気づいていなかった。
締日ということもあって、二時間程残業してから経理部のフロアを出ることが出来た若葉。
周囲は仕事をしながら、固唾を呑んで見守っている。
「あぁ、そうだったな。木崎がいてくれて助かる」
「わかってるなら埋もれさせないでくださいよ」
思わず膨れっ面になりそうになりながらも、若葉は周囲の目が気になってしまい、書類を抱えて踵を返した。
その去り際、周りには聞こえない程の小声で深野が若葉の耳元で囁いた。
「今日は仕事、早く切り上げる」
若葉は咄嗟に耳を押さえた。
抗議の眼差しを向けると、深野は僅かに口角を上げた。
仕事中は止めてほしいと幾度となく言っているというのに、深野は隙あらば仕掛けてくるから質が悪い。
若葉は脱兎のごとく、足早にフロアを後にした。
その姿を深野が熱い眼差しで見つめていることに、若葉は全く気づいていなかった。
締日ということもあって、二時間程残業してから経理部のフロアを出ることが出来た若葉。