嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
「つき……つき……」

これが、るか様だったら?

そんな事を思い出して、ハッとなった。


私、やっぱりるか様の事、まだ……

好きなの?

「うっ!」

行為が終わって、はやては私を抱きしめてくれた。

「つき。嬉しいよ、俺。」

「はやて……」

結ばれた二人。

でも、もうはやてには、心が向いていない。


るか様に抱かれた時もそうだった。

あの時は、はやての事が好きで、るか様に心が向いていなかった。

どうしてだろう。

私はいつも、抱かれる度に、他の人を考えている。

私の目に、涙が零れた。


「つき。どうして、泣くんだ。」

「ううん。何でもない。」

必死に涙を拭いて、私は起き上がった。
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