嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
「どうしてかしら。」

「えっ?」

お母様は、私の腕に触れた。

「あなたの心の中に、はやて以外の人が、いるような気がするわ。」

私は、驚きを隠せなかった。

「いや、その……」

「湖に身を投げて、助かってから、誰かにお世話になったの?」


るか様の顔が思い浮かぶ。


「うん。」

「その人を、想っているの?」

私は、うんと頷いた。

「じゃあ、その人を連れてきて、その人と結婚すれば……」

「駄目なの。」

「どうして?その人を、想っているのでしょう?」


連れてくる事なんて、できない。

相手は、水神様だもの。

「……この世の人じゃないの。」

「えっ?何を言っているの?」
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