嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
「妻にしたいと思ったのは、つきだからだ。」

「えっ……」

「つきを見た瞬間、我の妻にしたいと思った。生贄になったのを利用して、我はそなたを受け入れたのだ。」


私だから、るか様は受け入れた?


「だったら、新しい生贄の娘は?」

「受け入れない。」

「そうなったら、その娘は?」

「命を落とすだろうなぁ。」


もしかしたら、ときはそのまま命を落とすかもしれない?


「そんなのダメです。」

私はるか様を見つめた。

るか様の綺麗な瞳。

久しぶりに見る。


「ならば、受け入れるとしよう。」

「るか様!」

「だた妻にはしない。ほのと同じように、女中にする。」

ちょっと、嬉しい気がした。

「……我の妻は、今でもそなただけだ。」
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