嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
しばらくして、私は湖に毎日通うようになった。

るか様に会う為だ。

この前だって会えたのだから、今日だって会える。

そう思っていたけれど、るか様はなかなか会いに来てくれない。


「あー、るか様。今日も来てくれないな。」

私はお社の側に座った。

「るか様ー。」

呼んでみても、全く来る気配がない。


その時だ。

「そのるか様って、何者だ?」

後ろを振り返ると、はやてが立っていた。

「はやて。」

「ごめん。勝手に後ろを付いてきた。」

はやては、私の隣に、腰を降ろした。

「そのるか様って言うのが、つきを助けてくれた人なのか。」

「うん……」

「俺も会ってみたいな。」

隣ではやては、クスッと笑う。
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