嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
「会えないかもよ。」

「そうなのか。」

「もう来てくれないのかも。」

途方に暮れている。

私の気持ちを表す言葉だ。


「それだったら……もう一度、俺との結婚を、考えてくれないか。」

「えっ?」

隣を向くと、はやては真剣な顔で、私を見ていた。

「つきが、好きな奴と結ばれるのならと思ったけれど、そいつと結ばれないんだったら、俺との関係をもう一度考えて欲しい。」

「はやて……」

るか様に会っている時も、はやてを想って、るか様を傷つけてしまった。

今も同じ状況。

るか様に会えないからって、簡単にはやての方にはいけない。

「あのね、はやて……」


その瞬間、温かい温もりを、側に感じた。

「その必要はない。」

驚きながら声のする方に向くと、るか様が側に立っていた。

「るか様!」

私がそう言うと、はやては立ち上がった。
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