嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
「あんたがるか様か。」

「いかにも。」

はやてとるか様が、睨み合っている。

って、はやてもるか様の事、見えているの?


「まずは礼を言いたい。生贄になったのに助かったつきを、世話してくれてありがとう。」

「いいや。私の妻だ。世話をするのは当たり前の事。」

「妻?」

私は慌てて、るか様の口に手を当てた。

「……になればいいなぁって、思ってるって。」

するとはやては、ムッとしている。

「だとしたら、なぜ今まで、つきに会ってやらなかったのだ。」

「はやて……」

はやては、私を想って言ってくれているのね。

「つきは、このところずっと、あんたに会いに来ていたんだぞ。」

るか様が、私を見る。

「本当か。」

「はい。」

「それはすまなかった。寂しい思いをさせた。」

るか様の手が、私の腕を掴む。
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