嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
嬉しい言葉をかけてくれる。

るか様は、本当に誰もが振り向く男性だ。

「どうだ?つき。我の妻になる決心は、できたか。」

「えっ……」

カーッと、顔が赤くなった。

「えーっと……できてはいます。」

「では、早く我の元に。」

るか様は、両手を広げた。

「でも、待って下さい。」

「どうかしたか?」

「私が生贄になる事を、村の人は納得しないんです。」


そう。

一度帰って来た私を、村の人達は、水神様に受け入れて貰えなかったと、判断したのだ。


「私が帰って来てしまったから。皆、信じてくれないんです。」

「それは困ったな。」

るか様は、やれやれと頭を抱えてしまった。

「一番いいのは、つきがまた生贄になる事だったが。」

「両親も、戻って来た私を、手放すのは嫌みたいで。」
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