嫁ぎ先は水神様~ただ身を投げただけなのに~
急いで布団の中に潜りこみ、胸を押さえた。

「ふっ……」

そして、堰を切ったように、涙を流して泣いた。


そうか。

私、るか様の事、好きだったんだ。

今頃気づくなんて、なんて馬鹿な女なんだろう。


「うっ……うう……」

もう嫌。

こんなところにいたくない。

これから、いい仲になったあの二人を見ながら、ここで暮らしていくなんて。

辛い。辛すぎる。

でも、それも自分が自分で引き起こしたせい。

自業自得。

私は泣きながら、一晩中後悔していた。


翌朝、目を腫らした私に、ほのさんは驚いていた。

「まあ!どうしたのですか?そんなに目を腫らして。」

「ほのさんだって、目の下が黒いよ。寝不足?」

するとほのさんは、顔を真っ赤にした。
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