囚われて、逃げられない
「い、一時間!?」
「インターフォン鳴らしてくれれば良かったのに!
ごめんね……」
「ううん。野々を焦らせたくなかったから」
「ありがとう!」
並んで歩く二人。
「あ、野々!こっち!危ないよ!」
さりげなく、壁側に誘導する泰氏。
自転車が横を通ると、またさりげなく庇うのだ。
紳士的な対応に、益々心が奪われていく。
会社でも完璧に課長職をこなし、その間も野々花を気にかけてくれる。
毎日送り迎えをしてくれ、食事やバーにも時折連れていってくれた。
休日も色々連れていってくれ“好き”が募っていく。
考えてまた伝えるとは言ったものの、野々花の方が一緒にいたい、離れたくないと思っていた。
そして再会して、一ヶ月が経った━━━━━
「泰氏くん!」
「ん?何?」
「今日…一緒に夜、食事しない?」
「うん!いいよ!」
昼休み、一緒に社食で食事をしながら声をかけた野々花。
泰氏に気持ちを伝え、自分から再度お付き合いを申し込もうと思っていた。
仕事が終わり、いつものように一緒に会社を出てゆっくり並んで歩く。
「泰氏くん、今日は私にご馳走させてくれない?」
「え?うん、わかった!」
「実は、もう…予約してるの」
「そうなの?
へぇー、楽しみ!」
「ここ、食事代高いんじゃない?
いいんだよ、こんな高いとこじゃなくて……!」
「いいの。
私にとっては、今日は大切な日だから……」
つい最後の方、声が小さくなる野々花。
「え?ごめん、聞こえなかった」
「ううん。大丈夫だよ!
ここのピザ美味しいんだって!食べよ?」
「うん!じゃあ…お言葉に甘えて…いただきます!」
「インターフォン鳴らしてくれれば良かったのに!
ごめんね……」
「ううん。野々を焦らせたくなかったから」
「ありがとう!」
並んで歩く二人。
「あ、野々!こっち!危ないよ!」
さりげなく、壁側に誘導する泰氏。
自転車が横を通ると、またさりげなく庇うのだ。
紳士的な対応に、益々心が奪われていく。
会社でも完璧に課長職をこなし、その間も野々花を気にかけてくれる。
毎日送り迎えをしてくれ、食事やバーにも時折連れていってくれた。
休日も色々連れていってくれ“好き”が募っていく。
考えてまた伝えるとは言ったものの、野々花の方が一緒にいたい、離れたくないと思っていた。
そして再会して、一ヶ月が経った━━━━━
「泰氏くん!」
「ん?何?」
「今日…一緒に夜、食事しない?」
「うん!いいよ!」
昼休み、一緒に社食で食事をしながら声をかけた野々花。
泰氏に気持ちを伝え、自分から再度お付き合いを申し込もうと思っていた。
仕事が終わり、いつものように一緒に会社を出てゆっくり並んで歩く。
「泰氏くん、今日は私にご馳走させてくれない?」
「え?うん、わかった!」
「実は、もう…予約してるの」
「そうなの?
へぇー、楽しみ!」
「ここ、食事代高いんじゃない?
いいんだよ、こんな高いとこじゃなくて……!」
「いいの。
私にとっては、今日は大切な日だから……」
つい最後の方、声が小さくなる野々花。
「え?ごめん、聞こえなかった」
「ううん。大丈夫だよ!
ここのピザ美味しいんだって!食べよ?」
「うん!じゃあ…お言葉に甘えて…いただきます!」