囚われて、逃げられない
「お前…俺に恨みでもあんの?」
野々花が出ていった後、泰氏を睨み付け言った東生。
「別に」
スッと立ち上がり、服の埃を払う泰氏。
「てか、手!全然怪我してないじゃん!」
「だから?」
「やっぱお前…とんでもない男だな!」
「は?」
「光永 泰雄の孫だもんな!」
「じぃちゃんのこと、やっぱ知ってんだ?」
「まぁね。びっくりしてたよ、野々花」
「だからって、俺から離れられない」
「野々花のこと、どうしたいの?」
「一つになりたいだけ。それ以外は何も望まない。
でもね、お互いにじゃないと意味がない。
お前は、野々の視界にむやみに入ってくる虫みたいなもんなの。だから、排除しないと!」
「お待たせ!泰氏くん、手見せて?」
「うん…」
「痛い?」
「少し…でも、大丈夫だよ?」
「腫れてる感じはないから、骨折とかはしてないと思うけど……捻挫はしてるかもしれないから、湿布貼っておこうね」
「うん…ありがとう」
丁寧に手当てをする。
「野々花」
「東生くん、もう…こんなこと、やめてね…」
野々花は東生に目線を合わせずに言った。
それから、野々花は東生を避けるようになる。
東生が話しかけても“急いでいるから”と全く東生の話を聞こうとしない。
その姿に泰氏は、この上ない歓喜に震えていた。
「野々花!」
そして今日も、トイレから帰ろうとしている時後ろから呼び止められた。
「何?早く戻らないと、泰氏くんが心配するから」
「お前…騙されてるよ、光永に」
「何、それ?」
野々花が出ていった後、泰氏を睨み付け言った東生。
「別に」
スッと立ち上がり、服の埃を払う泰氏。
「てか、手!全然怪我してないじゃん!」
「だから?」
「やっぱお前…とんでもない男だな!」
「は?」
「光永 泰雄の孫だもんな!」
「じぃちゃんのこと、やっぱ知ってんだ?」
「まぁね。びっくりしてたよ、野々花」
「だからって、俺から離れられない」
「野々花のこと、どうしたいの?」
「一つになりたいだけ。それ以外は何も望まない。
でもね、お互いにじゃないと意味がない。
お前は、野々の視界にむやみに入ってくる虫みたいなもんなの。だから、排除しないと!」
「お待たせ!泰氏くん、手見せて?」
「うん…」
「痛い?」
「少し…でも、大丈夫だよ?」
「腫れてる感じはないから、骨折とかはしてないと思うけど……捻挫はしてるかもしれないから、湿布貼っておこうね」
「うん…ありがとう」
丁寧に手当てをする。
「野々花」
「東生くん、もう…こんなこと、やめてね…」
野々花は東生に目線を合わせずに言った。
それから、野々花は東生を避けるようになる。
東生が話しかけても“急いでいるから”と全く東生の話を聞こうとしない。
その姿に泰氏は、この上ない歓喜に震えていた。
「野々花!」
そして今日も、トイレから帰ろうとしている時後ろから呼び止められた。
「何?早く戻らないと、泰氏くんが心配するから」
「お前…騙されてるよ、光永に」
「何、それ?」