小さな恋 大きな愛
「ごめん、急に誘っちゃって…用事あるよね…」
「ううん、何にもないよ」(ホントに何もない)
「じゃあ俺バイト終わったらメールするからメアド教えてくれる?携番も教えてくれたらいいな♪」
「いいよ」(ホントに教えちゃっていいのかな?少し不安…)
美里と智輝はメアドと携番を交換した。(昔は結構軽いノリで交換してたけど最近めっきりしてなかったなぁ…)
一緒にバスを降りてバイバイして美里は思った。
人としゃべるのがいつの日か怖くなって人を避けていた。でも智輝とは普通に話ができる、なんでだろう?

部屋に帰ってからもそのことを考えていた。今は不安もない。
智輝の事を想っている時は…。

『ぴろりろりーん』メールの音。ビクッ、智輝だ!
『今終わったよ!もう出れるかな?』
美里も返信した。
『大丈夫だょ。バイト先に行くね、10分くらいかな?』
美里の家からいつものコンビニまで2〜3分で着く。美里はさっき買ったマスカラとグロスをつけた。お洒落もした。久し振りにスカートをはいた。靴箱の奥から二年前くらいに買って全然はいてないミュールを出した。
なんだかスースーする。(最近スカートはいてないなぁ…いつもGパンの方が楽だから…)
ぎこちない歩き方でやっと智輝のバイト先に着いた。
美里はちょっと恥ずかしかった。(だって自分じゃないみたい。てかお洒落なんかしちゃって)

コンビニに着いて智輝の姿を探した。すると後ろから
「美里ちゃん?あれ?可愛くない?」
美里は赤面しながら言う。
「えっ可愛くないよ〜普通だよ〜もぅ」照れ隠しになってない。ちょっと素直に喜べない自分がいた。でも智輝は間違いなく美里の変化を分かっていた。分かってもらいたくて可愛くみせたくてお洒落してきたんだから。
「どこ行こっか?とりあえず俺腹ペコりんなんだけど食事でもいいかなぁ?」
美里は無言で下を向いていた。
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