Your PrincessⅡ
 さっさと帰ってくれないかなと渚は蘭を見て思う。
 どういうわけか、夕食時。全員で食事をするハメになった。
「貴族の方の口に合いませんよ」
 と普段はドンくさいシュロでも、流石に気づいて険しい顔をした。

 ボッソボソの食感の悪いパンに塩味の野菜スープ。
 これは、決してシュロの料理の腕が悪いわけではないのだ。
 日によって食材にバラつきがあって。
 どうしても、こういった質素な食事になってしまうことがあるのだ。
 無料で学校側から食材を貰っているが為に、文句を言えるわけがなかった。

 出された食事に絶句した蘭だが、
 食事を食べて、「まずい」と言った。
「よくも、こんなメシが食えんな」
 と蘭が言った。
 きっと渚だけではない、少なくともサクラは心の中で思っているはずだ。
 …じゃあ、食べるなよ。

 シャワーを浴びる順番は普段、話し合いで決めるのだが。
 蘭が真っ先に「俺が一番最初だ」と言ってのけて。
 勝手に入ってしまった。
 シャワーからあがると、蘭はすぐに「俺は寝る」と言って。
 2階へ上がってしまった。
「皆さま、ご迷惑をおかけすると思いますがよろしくお願いします」
 頭をさげてアズマが2階に上がっていく。

「あたし、アイツ大嫌いだわ」
 小さい声でサクラが言った。
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