エリート脳外科医ドクターは痺れるほどの愛を注ぎ込みたい。 〜セフレですが、両想いです。〜
「れ、蓮っ……ん、こんな場所でダメっ」
「鍵かけたから大丈夫」
そういう問題じゃないよ……職場なのに。
「やっ……!」
蓮に再び唇を重ねられた時、廊下から足音が聞こえてきた。
「佐伯ちゃん、いる?」
佐倉先生の声が聞こえてきて私が蓮から離れようと胸板を押すが弛められた身体は力が出なくて逆に抱きしめられてしまった。
「……あれーいないのか」
そう呟いて部屋の前から立ち去ってしまった。まだ休憩時間終了まで三十分もあるし、離してもらえそうにない。
「奈々のこと抱きたい」
そう蓮が囁いた時、私は彼と出会った日のことを思い出した――。