エリート脳外科医ドクターは痺れるほどの愛を注ぎ込みたい。 〜セフレですが、両想いです。〜
「あの! 名前、教えてください!」
搬送された病院で救命救急センター処置室から出てきたさっきの医師を呼び止めた。
「あぁ……山崎蓮。ここの医師だ」
「山崎先生、ありがとうございました!」
「よく頑張ったな」
そう言って私を抱きしめてくれた。
彼の胸の中は温かくてホッとしたのと重なり涙が溢れたのを覚えている。その山崎先生がまだ救命救急センターの研修医だった蓮だった。
その後、両親は元気になり私は救命救急に関わる仕事がしたくて猛勉強をした。
学力的に医師や看護師は目指せなかったが、医療事務の専門学校に入り病院実習で蓮と再会した私はあの時とは違う想いが溢れていた。
「佐伯奈々です。私のこと、覚えてますか?」
「もしかしてあの事故の……」
覚えてくれていた彼と休憩中に話をしたりした。
就職に悩んでいると言ったらさくらファミリー総合に入ればいいよと彼に言われた私はその言葉に感化されてたのだ。