わたしが最愛の薔薇になるまで
中編
顔合わせは、料亭が入った市中の高級ホテルで行われた。
貸し切った個室で、私と葉室、蕾と咲が同じテーブルに着いての食事会である。年齢的なものなのか、葉室側の家族はいなかった。
「お二人とも一高とは。素晴らしいですね」
艶のあるクラヴァットを締めた葉室は、双子の制服を見て目を細めた。
ナンバー校は、帝大に進学するための予科と位置づけられており、試験は難関だ。蕾と咲は、私と違って勉学が出来るので一発合格だった。
「お褒めいただいて恐縮ですわ。二人とも自慢の息子です」
「誉れでしょうとも。ですが、一高は皆寄宿制度がありますよね。息子さんと離れ離れでお寂しくありませんか?」
「蕾と咲は自宅から通学しておりますの。私を一人にするのは忍びないと、学長に掛けあってくれたのです」
「優しいんだね、二人とも?」
「「…………」」
貸し切った個室で、私と葉室、蕾と咲が同じテーブルに着いての食事会である。年齢的なものなのか、葉室側の家族はいなかった。
「お二人とも一高とは。素晴らしいですね」
艶のあるクラヴァットを締めた葉室は、双子の制服を見て目を細めた。
ナンバー校は、帝大に進学するための予科と位置づけられており、試験は難関だ。蕾と咲は、私と違って勉学が出来るので一発合格だった。
「お褒めいただいて恐縮ですわ。二人とも自慢の息子です」
「誉れでしょうとも。ですが、一高は皆寄宿制度がありますよね。息子さんと離れ離れでお寂しくありませんか?」
「蕾と咲は自宅から通学しておりますの。私を一人にするのは忍びないと、学長に掛けあってくれたのです」
「優しいんだね、二人とも?」
「「…………」」