わたしが最愛の薔薇になるまで
 双子は、それぞれ女学生を連れていた。
 頬を染めたお下げ髪の少女と、手を繋いでいるのは咲。
 おかっぱ髪の少女の腰に、馴れ馴れしく手を回すのは蕾。

(異性との交遊は、校則で禁じられているのに)

 何より私の胸をざわつかせたのは、まだまだ子どもだと思っていた双子が、ひどく男性的に見えたことだった。

 動けない私の目の前で、双子と少女たちは脇道に消えていった。


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