わたしが最愛の薔薇になるまで
「ええ。きっと、再婚したあなたが幸せそうにしていたなら、二人とも安心してそれぞれの人生を歩んでいくでしょう。結婚しましょうか、薔子さん」
「はい」

 私と葉室は、式や披露宴に向けて、具体的な準備をはじめることになった。


◆◆◆◆◆


 垣之内家の未亡人が再婚する。

 私の結婚は、上流階級の人々の注目を浴びた。
 新聞に小さな記事がのると、お祝いの花と披露宴の問い合わせをたずさえたボーイが、ひっきりなしに垣之内邸を訪れた。
 
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