わたしが最愛の薔薇になるまで
「どっかの誰かが吹き込んだんじゃないの。あの人、騙されやすいもの」
咲は、横たわったまま手を伸ばして、蕾のネクタイを引っ張った。
引き寄せられた蕾は、真下にある咲の楽しげな表情を見下ろす。
「ねえ、蕾。僕が何を考えているのか分かる?」
「ああ、咲。あの人を守るためなら何だってする」
「蕾も過激だね。そんなに熱心になにを読んでるの」
「悪の華。陰険な詩人の話だ」
「へー。くっそつまんなさそう」
蕾と咲はクスリと微笑みあって、薔子が出ていった扉を見つめた。
咲は、横たわったまま手を伸ばして、蕾のネクタイを引っ張った。
引き寄せられた蕾は、真下にある咲の楽しげな表情を見下ろす。
「ねえ、蕾。僕が何を考えているのか分かる?」
「ああ、咲。あの人を守るためなら何だってする」
「蕾も過激だね。そんなに熱心になにを読んでるの」
「悪の華。陰険な詩人の話だ」
「へー。くっそつまんなさそう」
蕾と咲はクスリと微笑みあって、薔子が出ていった扉を見つめた。