【好き】を言いたい1
「‥あ〜?
もしかして、千陽ちゃん〜?」
「!?」
口をパクパクさせて、
「なんで分かったんだよ。」と言いたげな表情。
「あははは!」
「何でだ‥。」
頭を抱えた道治を問い出すと、
道治の付き合って2年になる彼女、
千陽ちゃんの誕生日プレゼントで、
悩んでいるとのこと。
去年も同じことで訊かれたから、
何となく分かった。
「んー。
彼氏にもらえるものなら、
何でも嬉しいと思うけどな‥。」
「それ、去年も言ってただろ!」
「でもそれで正解なんだもん。」
「‥。」
道治が黙ったとき。
「‥なぁー。」
「「え?」」
後ろから、聞き覚えのある声が。
振り返ると、
眉を寄せた和志が私たちのことを見ていた。
「あれ、和志どうしたの?」
「お前、誰。」
私の言葉を無視して、
道治を見る和志。