【SR】hide and seek
たまに向けられるその強い視線を月子が感じ始めたのは、いつからだったか。
生まれた時から、何をするのも一緒だったふたり。
陽子と月子。
姉と妹。
この幼い時期特有の、見分ける事が困難な一卵性の双生児。
月子はもう一度口から出そうになっていた「やめよう」という言葉をぐっと飲み込み、陽子に手渡された小さいえんぴつを握りしめた。
あたたかな同じ形の小さなてのひらが、冷たく緊張したてのひらに優しく添えられる。
紙面の上部に描かれた赤い鳥居が、ふたりを待つようにゆったりと手招きしているように見えた。
「「コックリさんコックリさん、教えてください……」」
生まれた時から、何をするのも一緒だったふたり。
陽子と月子。
姉と妹。
この幼い時期特有の、見分ける事が困難な一卵性の双生児。
月子はもう一度口から出そうになっていた「やめよう」という言葉をぐっと飲み込み、陽子に手渡された小さいえんぴつを握りしめた。
あたたかな同じ形の小さなてのひらが、冷たく緊張したてのひらに優しく添えられる。
紙面の上部に描かれた赤い鳥居が、ふたりを待つようにゆったりと手招きしているように見えた。
「「コックリさんコックリさん、教えてください……」」