【SR】hide and seek
「どうせ、昨日も遅くまで遊んでたんでしょ。」

遮光されたカーテンを勢いよく開け放つと、眩しい太陽の光が部屋いっぱいに広がる。

鬱陶しそうに隆之は身を捩ると、更に奥へともぐり込んだ。


「あと、もう少し……」

大きな体を出来るだけ小さく丸め、隆之はくぐもった声を出す。

「だぁーめっ!」

そう言うと、麻美は毛布から少しはみ出た隆之の肩を力いっぱい引っ張り、そのままベッドから引きずり落としたのだった。


「いぃーーってぇ…」


心地よいベッドから、有無を言わさず引きずり落とされた隆之。

その目の前で、
制服に身を包んで仁王立ちしている麻美がにっこりと笑っている。

「おはよう、あにき。」



少し短めのスカートから伸びる、長い足。

学校指定の紺色のハイソックスが、その長い足を更に際立たせている。


はっきりとした大きな二重の瞳に、笑うと特徴的に大きく広がる口元。

細く尖ったあごのラインを生意気そうにツンとあげて、麻美は隆之に続けた。


「ねぇ、
こないだした約束、覚えてるよね?」

「…約束?」

「そう、約束。」

寝ぼけて頭がまわらない隆之に「やっぱり…」と呆れ、麻美は大袈裟にため息をもらした。


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