【好き】を言いたい2


私の家族はみんな急用で来れなかったから。

「いやいいんだよ、気にすんな!」


とは言っても、

「申し訳ないんだってばぁ!」

「んー、あ、ならお礼、なんかするからさ!」

「へ?お礼?」

「なんか欲しかったりするもんある?」






‥ほしいものか。


「あ。」

「お?何々?」

「‥なんでもいいの?」

「もちろん!」

「‥だったらさ、」

「うんうん?」

「キス、して?」

「うん‥‥ん!?」




ニコニコした笑顔を浮かべていた彼は、
ブワッと真っ赤に顔を染めた。



「キ、キス!?」

「なんでそんなにびっくりするの!?」

「なんでって‥、礼華、
普段はそんなこと滅多に言わないから‥。」

「私だって言うときは言うんですー!」



照れたのか、
真っ赤になったままの顔を逸らす和志。




私はそんな彼にもっと意地悪してみたくて、


「あ、ねぇねぇ和志!」

「っ、なんだよ!」

「あのねあのね、」

「だからなんだっ‥‥‥。」



グッと彼の服の裾を引っ張り、
思いっきり背伸びをして、
ほおにキスをしてみた。





< 14 / 17 >

この作品をシェア

pagetop