【好き】を言いたい2
なんで?
私のことじゃない、の?
彼女って、私が勝手に勘違いしてたってこと‥?
あんなに好きって、
大好きって言ってくれてたの、嘘なんだ‥。
嫌な思考ばかりが、ぐるぐる頭を駆け巡る。
「礼華、そんなに考えなくて良いよ。
ちゃんと瀧尾くんと話してみて?」
結由は励ましてくれようとしているのは、
いつもは嬉しいけれど、今は、今は辛い。
「ううん‥、もういい‥。」
私には、和志と向き合っても意味がない。
だって、なんの関係のない赤の他人なんだもん。
「今日、1人で帰る‥。」
立ち止まって、結由にそう一言だけ告げると、
私は走って階段を駆け降りた。